ロタウイルスは、小腸のひだの細胞に感染し、そこでウイルスが増殖することで小腸の細胞を壊します。それにより、小腸のひだがうまく動かなくなり、水を吸収できず激しい下痢が起こります。激しい嘔吐と下痢が特徴で、脱水症状を起こす危険性があります。特に生後6ヶ月〜2歳までにかかることが多く、重症化しやすい傾向があります。脱水症状が重症化すると、入院が必要となるケースもありますので注意が必要です。
感染経路は、主に糞口感染で、ウイルスに汚染された手で口に触れたり、汚染された食品や水を摂取することで感染します。保育園や幼稚園など、集団生活を送るお子さんは感染リスクが高まりますのでワクチンを忘れずに接種し予防しましょう。
ロタウイルスワクチンの種類
ロタウイルスのワクチンは口から飲む生ワクチンです。ロタリックス(1価)とロタテック(5価)の2種類があります。いずれもウイルスの毒性を弱くしたロタウイルスが用いられています。効果は同じです。
1価ワクチンは2回、5価ワクチンは3回接種します。
ロタウイルスワクチンの接種スケジュール
2回目:1回目から4週間あけて、ロタウイルス(2)、小児肺炎球菌(2)、B型肝炎ワクチン(2)、5種混合(2)で同時接種
3回目:2回目から4週間あけて、ロタウイルス(3)(5価のみ)、小児肺炎球菌(3)、5種混合(3)で同時接種
VPDワクチンスケジュール表
(https://www.know-vpd.jp/dl/schedule_age7_202404.pdf)
よくある質問
Q 接種後に副反応はありますか?
A 接種後に嘔吐、下痢などの胃腸炎症状が起こる可能性がありますが、ほとんどの場合は 軽症で数日で治まります。
注意が必要な副反応は、数万接種に1例程度、特に1回目の接種後(特に約7日以内)に 発症する腸重積症です。腸重積症とは、腸が腸の中にはまり込む病気です。接種後、特に7日以内に、お子さんの機嫌が悪い、激しく泣く、きげんが良かったり悪かったりを繰り返す、嘔吐、お腹が膨れる、便に血が混じるなどの場合は、すぐに当院、時間外であれば救急病院にご連絡ください。その際は、ロタウイルスワクチンを飲んだことをお伝えください。腸重積症について詳しくはこちら。(http://www.futaba-kids.net/choujuseki/)
Q ロタウイルスワクチンは安全ですか?
A 安全性は十分に確認されており、多くの国で広く使用されています。