肺炎球菌は、健康なお子さんでも2〜3割の割合で鼻やのどに肺炎球菌を持っていて、私たちの身の回りに存在する細菌です。この肺炎球菌が原因で起こる感染症は、肺炎だけでなく 中耳炎、副鼻腔炎、髄膜炎などがあり、様々な病気の原因となります。特に乳幼児は免疫力が未発達で重症化しやすいため、ワクチン接種で予防することが推奨されています。
肺炎球菌感染症から発症する可能性のある疾患
肺炎:咳、痰、呼吸困難、発熱などが現れます。
重症になると、呼吸不全や敗血症に陥る可能性もあります。
中耳炎:耳の痛み、発熱、聴力低下などが現れます。
副鼻腔炎:鼻詰まり、鼻水、頭痛、顔の痛みなどが現れます。
髄膜炎:激しい頭痛、発熱、嘔吐、意識障害などが現れます。
稀なケースですが重篤な疾患のため早期治療が必要です。
これらの感染症は、抗生物質で治療できますが、重症化すると入院が必要になる場合もあり、 後遺症が残る可能性もあります。特に髄膜炎は、早期治療が非常に重要です。
肺炎球菌ワクチンの接種スケジュール例
基本的には 5 種混合ワクチンと同じスケジュールですので、同時接種が一般的です。
1回目:2ヶ月の誕生日あたりで5種混合1、小児肺炎球菌1、B型肝炎1、ロタ1で同時接種
2回目:1回目から4週間あけて5種混合2、小児肺炎球菌2、B型肝炎2、ロタ2で同時接種
3回目:2回目から20日以上あけて5種混合3、小児肺炎球菌3、ロタ3(5価のみ)で同時接種
4回目:1歳になったころに5種混合4、小児肺炎球菌4、MR/ムンプス/水痘1で同時接種
VPDワクチンスケジュール表
(https://www.know-vpd.jp/dl/schedule_age7_202404.pdf)
副反応
接種後、注射部位の痛みや腫れ、発熱などの副反応が起こる可能性がありますが、ほとんど の場合、軽症で数日で治まります。心配なことがあれば、すぐに当院にご連絡ください。