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2025.05.29便秘の疾患ページ
便秘
正常の便性状、排便回数
毎日排便がないからと言って、便秘というわけではありません。
健常児の排便回数
診断
小児で便秘を発症しやすい時期があります。
①乳児における母乳から人工乳への移行時期,あるいは離乳食時期
②幼児におけるトイレトレーニング
③入園・入学での排泄の回避国際的に使用されている診断基準RomeIIIを示します。
(小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン)
診断基準RomeIIIにある各項目を中心に問診し,便秘症であるか否かを確認することが第一です。ただし、診断基準に合致しなくても、便回数が少ない、または排便に苦痛を伴う例を便秘と診断し、治療の対象としても問題はありません。
本来、直腸の便が肛門近くまで到達すると、直腸が広がり伸び、神経が刺激され、便意を感じ、排便します。
しかし、トイレトレーニングがイヤだったり、遊びに夢中で便意を感じても排便を我慢したり、学校で排便するのが恥ずかしいなどの理由で便意を我慢すると、やがて直腸が伸び、便がたまります。直腸が伸びたままだとそれに慣れてしまって神経が刺激されず、便意を感じにくくなり、ますます便がたまります。
また、便がたまると水分が吸収されて便が硬くなり、排便しようとすると痛くなるため排便を我慢します。こうして便秘が悪化するとどんどん悪循環がおこります。
便秘をきたす
基礎疾患を示唆する徴候
(red flags)
ただし、下記の便秘をきたす基礎疾患を示唆する徴候(red flags)を認めた場合には、便秘の原因になる基礎疾患が隠れていることがありますので、小児外科での精査の適応となります。
便秘症をきたす基礎疾患を示唆する徴候
(red flags)
便秘をきたす基礎疾患や病態には、ヒルシュスプルング病や直腸肛門奇形などの外科的疾患や、代謝内分泌疾患,神経筋疾患などの内科的疾患も挙げられます。
red flagsを認めなければ,便秘症として治療をします。
治療
治療の基本は悪循環を断ち切り、排便のリズムを取りもどすことです。
まずは浣腸や下剤で直腸にたまった便を十分に排便させ、その後も便がたまらないようにします。
まず便器に座ることが大切です。便は出なくて良いので、便器に一定時間(例えば5~10分間)決めて座るようにするのも効果的です。
便器に座ることにより腹圧が生じやすくなり、排便を促進します。
幼児は暗いトイレを嫌がるので、明るい場所でおまるを使うのもよいでしょう。
これを2~3カ月続けると規則的な排便ができるようになりやすいです。
便器に座った時に足が床につかない時は足元に台を置いて前かがみになると腹圧がかかり排便しやすくなります。