鼠経(ソケイ)ヘルニア
鼠径部(足の付け根)に丸いものが触れる場合、最も頻度が高いのが「鼠経ヘルニア」です。
啼泣時などでお腹の圧が高くなるとお腹の中にある腸管や卵巣などの臓器が鼠径部に脱出し、お腹の圧が下がるとそれら臓器がお腹の中に戻る、という病態です。
脱出臓器は腸管が大半で、次いで男児では大網、女児では卵巣が多いです。
脱出臓器によって治療方針が異なりますので、診断が重要になります。疑われる場合は小児外科を御紹介します。
診察時には脱出していないこともありますので、自宅で脱出している場合は写真を撮っていただいて診察時に見せていただけると助かります。
生後6か月未満では嵌頓しやすく、早期の整復が必要です。
陰嚢水腫
陰嚢水腫は、精巣の周囲に水が溜まった状態で、1~2歳までに自然軽快することが多いと言われています。
そのため、すぐに治療する必要はなく、定期的なフォローが必要になります。
小児の陰嚢水腫は腹腔と交通がある点で成人の陰嚢水腫とは異なります。
交通性があるため、腹腔内感染、臓器損傷などのリスクがあるので、穿刺や吸引は禁忌です。
1~2歳で縮小傾向がなければ小児外科に御紹介させていただきます。
停留精巣
精巣は、胎児期にお腹の中で発生し、出生近くになると下腹部側方にある鼠径管(そけいかん=腹部と太ももの間に走る管)を通って陰嚢(いんのう)内まで下降してきます。その精巣の下降が不完全な場合を「停留精巣」といいます。
新生児期に5%前後にみられますが、1歳頃には1.5%前後になります。
生後6ヶ月までは自然下降が期待できると言われています。
とくに、在胎37週未満で生まれた児や2500g未満の低出生体重児ではその頻度が高いことが知られています。
精巣は、本来は体温より2~3℃低い陰嚢内にあるべきで、高温の環境下に長くさらされていると、妊孕性(にんようせい:妊娠するための能力)が低下したり(将来、こどもができにくくなったり)、発がん率が上がったりすることがあるため、1歳前後に手術で精巣を陰嚢内に固定する必要があります。
それとは別に、生理的な反射の過剰性や、精巣が一時的に移動してしまう移動性精巣、という病態もありますが、その多くは手術は必要ありません。
矮小陰茎(わいしょういんけい)=マイクロペニス
陰茎の大きさは個人差が大きいです。陰茎の大きさの評価は陰茎の長さで行います。
長さの測定の仕方が大切で、陰茎を非勃起時に引き伸ばして十分に伸展させた状態で、陰茎根部の皮膚を十分圧迫して、恥骨結合から亀頭先端までの陰茎背面の伸展長を測定します。
通常だと、新生児2㎝、乳幼児2.5㎝、学童3㎝、思春期発来後4~6㎝以下だと矮小陰茎が疑われます。
原因は、男性ホルモンも作用が不十分であることが多く、専門医を御紹介します。
尿道下裂
尿道下裂は、外尿道口が亀頭先端の正常な位置より近位(亀頭部、陰茎、陰嚢、会陰部にかけての陰茎腹側)に開口する、先天奇形です。
疑わしい場合は、専門医を御紹介します。多くの場合、1歳以降での手術になります。
法です。1998年に米国で初めて医療機器として承認され、日本では2018年に承認された治療法になります。治療期間は、主に治療開始時の赤ちゃんの月齢によって異なります。(早く開始するほど、短い期間で終了できます)

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