吸いだこ
生後数週まで、上口唇の角化した上皮が粘膜から分離し境界明瞭な部分ができ、剥がれると新しいものができます。母乳栄養児にみられる特徴的な正常所見です。
先天性歯(魔歯)
日本人では、最初の乳歯の萌出(歯が生えること)は生後7か月頃から始まります。
それよりも早く、出生時や生後1~2か月以内に萌出する歯のことを先天性歯(魔歯)といいます。
頻度は、0.1%で、場所は下の前歯が多いです。
これは、本来萌出する予定の正常な乳歯(真性歯)が早く萌出した場合と、過剰な歯(過剰歯)が萌出した場合に分けられます。
真性歯は歯根形成が進むのに対して、過剰歯では歯根形成が進まず自然脱落しやすいです。
先天性歯の問題点として以下が挙げられます。
・先天性歯の先端が鋭利であり、授乳時にお母さんの乳頭を傷つけやすい。
・先天性歯が安定せずにグラグラして自然脱落しやすく誤嚥の危険性。
・哺乳時に舌下面が刺激され、潰瘍が形成され授乳障害の可能性(この状態をRiga-Fede :リーガ・フェーデ病といいます。)
真性歯では歯の先端を丸くしたり、過剰歯では抜去するなどの処置が必要となりますので、小児歯科を御紹介します。先天性歯が真性歯か過剰歯なのか、まずレントゲン検査を受け診断されてから、その後の処置をご相談下さい。
鵞口瘡・口腔内カンジダ症
ほっぺたの内側などに生じるカンジダ感染症です。
ミルクかすの様な白苔が粘膜に付着し、ミルクかすであればこすれば簡単に取れますが、これはカビが粘膜に張り付いているのでこすっても取れません。
生後1週以内の発症は、産道での感染が考えられます。
生後1週以降の発症では、カンジダに汚染された便・おむつから手指を介しての感染や、不衛生な人口乳首やおしゃぶりを介しての感染、お母さんの乳頭からのカンジダ感染などが考えられます。
鵞口瘡・口腔内カンジダ症は一般的には無症状です。
通常は治療は不要です。カンジダは通常でも口腔内にいますので、基本的には無害です。
乳首、ほ乳瓶の消毒をきちんとしてあげましょう。
白苔が舌だけではなく、歯茎やほっぺたの裏の粘膜など口腔内全体に付着したり、哺乳力が落ちることがあります。その場合は抗真菌剤塗り薬で治療をします。
治療してもなかなか治らない時はごくまれに免疫系の病気があることも考えられます。専門病院を御紹介します。
舌苔
母乳やミルクなどの付着で、舌の表面が白っぽくなります。
口腔内常在菌の繁殖が原因で、緑色・黒色などを呈することもあります。
治療は必要ありません。
上皮真珠
赤ちゃんが生まれる以前に、乳歯形成が開始されます。その過程で本来であれば吸収されてなくなる組織の一部が吸収されずに残ったものが上皮真珠です。乳児で時々みられる膿疱で稀なものではありません。乳歯が生える前に自然に脱落します。

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