MRワクチンとは
MRワクチンは、麻疹(はしか)と風疹を予防する混合ワクチンです。麻疹ワクチン、風疹ワクチンをそれぞれ単独で接種することも可能ですが、一度に予防できるMRワクチンを接種することで、お子さんが注射を受ける回数を減らすことができます。
MRワクチンは、麻疹ウイルス・風疹ウイルスを弱毒化して作られた生ワクチンで、約95%の予防効果が認められていますので、1歳になったらできるだけ早期に1期の接種を受けましょう。
麻疹(はしか)とは
麻疹(はしか)は、麻疹ウイルスの感染によって起こる全身感染症です。空気感染や飛沫感染、接触感染など、感染力が非常に強いウイルスです。感染するとほぼ100%発症します。発熱・咳・鼻水・目の充血・目やにといったカゼの様な症状が2~3日続いた後、発熱3~4日目から体に赤い発しんが出ます。高熱は7~10日間くらい続きます。ふつうのかぜの熱とはまったく違うので、その間はたいへんつらいものです。熱が下がっても、3日経つまでは登園、登校ができません。
肺炎や中耳炎を合併しやすく、1,000人に1人程度の割合で脳炎が発症します。特効薬はなくワクチンによる予防が最も有効です.その他の合併症として、10万人に1人程度と頻度は高くないものの、麻しんウイルスに感染後、数年から十数年後に亜急性硬化性全脳炎(SSPE)と呼ばれる知能障害や運動障害などが進行した後、数年以内に死に至る中枢神経疾患を発症することもあります。
風疹とは
風疹は、風疹ウイルスの感染によって起こる発疹性感染症です。主な感染経路は飛沫感染で、免疫がない集団下においては1人の感染者から5~7人にうつすほどの強い感染力を持ったウイルスです。
軽い風邪症状から始まり、発熱・発疹・首や耳下のリンパ節の腫れなどの症状が現れます。発熱や発疹が3日ほどで治まることから「三日ばしか」とも呼ばれます。
大人になって妊婦になった時に妊娠初期に感染すると、胎児に白内障、心疾患、難聴などの障害(先天性風疹症候群)を引き起こす可能性があるため、小児期のうちに予防接種でしっかり予防しましょう。
男性も予防接種をしっかり受けましょう。男性から女性パートナーに感染し胎児に先天性風疹症候群を引き起こすこともありますので、男性の予防接種も大切です。
MRワクチンの接種スケジュール例
第1期:1歳の誕生日以降で、MR(1)、小児肺炎球菌(4)、5種混合(4)、水痘(1)、ムンプスで同時接種
第2期:5歳の誕生日以降(小学校入学前の1年間)で、MR(2)を接種
VPDワクチンスケジュール表
(https://www.know-vpd.jp/dl/schedule_age7.pdf)
副反応
MRワクチンは弱毒生ワクチンのため、接種後にウイルスが体内で増え免疫を獲得します。
そのため、注射部位の痛みや腫れのほか、麻疹(はしか)・風疹に似た発熱と発疹といった症状が副反応として現れることがあります。
ほとんどの場合が1~3日で治まりますが、心配なことがあれば、すぐに当院にご連絡ください。

WEB
WEB
オンライン