「マイコプラズマ感染症」とは
マイコプラズマ感染症とは、マイコプラズマという細菌の感染症です。4年周期で流行することもあり、多くの方は気管支炎になりますが、3~10%の方は肺炎になると言われています。
幼児・学童に多い病気で、乳児で罹患することは少ないです。
潜伏期間は、2~3週間。
園内・校内・家庭内で、飛沫感染・接触感染します。
症状
初期症状は、発熱、倦怠感、頭痛ですが、その後から咳が始まり長く続きます。最初は乾いた咳ですが、徐々に咳が強くなり、湿った咳や喘鳴(ゼイゼイ)になったり、3~4週間と咳が長く続くことが多いです。
検査・診断
咳が長く続いたり、胸部レントゲンで陰影を認めたりする場合には、マイコプラズマを疑います。
【抗原検査】
咽頭拭い液で調べます。結果は15分で出ますが、精度は高くありません。
【血液検査(抗体検査)】
以前からある検査で、外部の検査会社に依頼しますので結果が出るまで数日かかります。2回検査することがあります。
【血液検査(LAMP法)】
PCRと同様で遺伝子検査で精度は高いです。ただ外部の検査会社に依頼しますので結果が出るまで3日程度かかります。
当院では、これら従来の検査ではなく、精度が高く短時間で結果の出る新しい検査:ビオメリュー・ジャパン株式会社の「BioFire SpotFire Rパネル」(多項目同時検出PCR検査)を導入しています。
https://www.futaba-kids.net/biofirespotfire/
結果は約17分間で出て、精度の高い検査です。
マイコプラズマ感染症以外の計15種類の細菌・ウイルスを一度に検査できます。
※BioFire SpotFire R パネルは発熱している患者さん全員に検査するものではありません。当院では患者さんの症状に合わせて検査させていただきます。
治療
軽症であれば自然治癒します。
気管支炎・肺炎であれば、マクロライド系抗生物質が第一選択になります。
以後お気をつけいただきたいこと
マクロライド耐性のマイコプラズマも報告されていて、発熱が続く場合は、抗生物質の変更が必要なこともあります。
処方薬は指示通り飲んでください。
【合併症】
多形紅斑、中耳炎、無菌性髄膜炎、脳炎、ギラン・バレー症候群、溶血性貧血、心筋炎、スティーブン・ジョンソン症候群など多彩です。
症状の改善が乏しい場合、新しい症状が出現した場合などは当院/医療機関を再診してください。

WEB
WEB
オンライン