BCGワクチンとは
BCGワクチンは、乳幼児の結核性髄膜炎や粟粒結核(ぞくりゅうけっかく)などの重症な結核の発症を予防するワクチンです。
結核とは
日本では、かつて「結核は国民病」と言われるほど広がっていた病気ですが、1951年以結核予防法が制定されて以来、結核にかかる人の割合は順調に減少しました。しかし、1980年代に入ると減少率が鈍り、2000年代以降は毎年20,000人前後が発病しています。近年、交通手段が利便性を増し、感染者が容易に移動できてしまうことも十分に病気をコントロールできない要因の一つだと言われています。そのような以前とは異なる背景もあり、結核は再び注意すべき感染症と言われています。
肺結核
結核菌は肺で増え、炎症反応を引き起こし、やがて肺の組織が壊されていきます。初期症状は風邪と似ていますが、咳や痰・微熱などが長く続くことが特徴です。体重減少や食欲不振、寝汗をかくこともあります。肺結核が進行すると、だるさや息苦しさが出てきたり、血が混じった痰が出て、呼吸困難を引き起こし死に至る場合もあります。
全身感染症
肺以外の臓器(腎臓、リンパ節、腸、骨や脳など)に病気を引き起こす状態です。特に免疫機能が未発達な乳幼児は重症化しやすく、結核菌が体内に広がる粟粒結核(ぞくりゅうけっかく)や、結核が脳や脊髄を包んでいる膜に感染する結核性髄膜炎などを発症します。
BCGワクチンの接種スケジュール例
BCGワクチンは、生後1歳になる前までに1回接種します。
標準的な接種期間は生後5か月~生後8ヶ月です。
VPDワクチンスケジュール表
(https://www.know-vpd.jp/dl/schedule_age0_202504.pdf)
接種後の経過
接種後、正常な反応として接種後2週後頃から針の痕と同じ場所が赤くなります。その後、白く化膿したようになることもありますが正常な反応です。接種後5~6週間ごろに最も赤みが目立ちますが、その後は、徐々に赤みは薄くなって、やがて接種跡は残りますが赤みは消えます。接種後の副反応で心配なことがあれば、すぐに当院にご連絡ください。
コッホ現象とは?
コッホ現象とは、結核に感染している人にBCGワクチンを接種すると、接種後早期に接種部位の反応が強く出る現象です。接種後2~3日で接種部位が赤くなるようでしたらお問い合わせください。

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